高雄国際コンテナアートフェスティバル2007
Sustainable Cosmopolis: Eco-container Art Project
Earth Taps Container 地球の蛇口

Neiweipi Cultural Park, 高雄市美術館、台湾

主催:高雄市美術館

制作:11/23-30,2007
展示:12/8,2007-1/13,2008

台湾第2の都市、高雄 Kaohsiungは、港湾都市のシンボルとして、貨物コンテナに着目し、2001年より「高雄国際コンテナアートフェスティバル」を開催してきた。2年に一度なので、2007年で4回目。池田一は、今回で3度目の招待出品である。
今までは、中を展示会場とするだけではなく、積木のように組み合わせたり、加工したり、コンテナの使い方は自由で、さまざまであった。しかし、今回は違う、実際に貨物コンテナとして使用するので、シリアル・ナンバーを残すなど、使用可能な厳しい条件がついた。
そして、現実に、高雄での展覧会が終わると、そのまま貨物船に積み込まれ、インド洋から、イタリアのジェノバへの航海に旅立った。
Note by Ichi Ikeda

Earth Taps
地球はどこでも蛇口

Earth Tapsは、平たく言えば「地球はどこでも蛇口」ということだ。このキヤッチフレーズ的な言葉の有効性を確信しえたのは、ニューヨーク州の西のはずれ、カユガ湖の湖畔に滞在していた時のことである。2006年、南セネカ中央学校(South Seneca Central School)の、Water Symposiumに招聘された。中学生たちがインターネットを駆使して、池田一に行きついたというのである。
彼らが選んだアーティストは、私一人。その分、期待の大きさが資料とともに送られてくる。いつものことながら、事前に届く厖大な資料は、アート関係ではなく、その地域の水事情、水の問題に関するものばかりだ。それらの資料をもとに、水という言語(Ikeda Waterと呼ぶ人もいる)を通して、その場所ならでわのアートの提案を見い出す作業が続く。

五大湖のひとつ、オンタリオ湖の南に、指で掻いてえぐったような11の湖、文字通りFinger Lakesがある。その真ん中の、もっとも大きな湖、カユガ湖とセネカ湖の間に、南セネカ中央学校はあった。風光明媚な湖畔には、ワイナリーが点在し、深刻な水問題からは一見無縁なように見える。しかし、水に対する意識は、目前の風景よりも、もっと深く浸透していることを知った。「地球はどこでも蛇口」への起点が、ここにあった。

● Earth Tapsへの根拠(1) 不特定な水たち nonpoint source pollution
工場排水や生活排水などの汚染源は、明確に地点が特定出来るので、point sourceと呼ぶ。問題は、道路を流れる雨水、駐車場、建設現場や耕地などから流出する地点を特定出来ない水たち、nonpoint source pollutionと呼ばれる水こそ問題だ、とカユガ湖流域ネットワークは訴える。そして、水を徒に流出させないために、各家の庭の芝生の植え方に及ぶまで、細かい警告がなされる。これは、全ての地点が水源だと思え、という強烈な主張につながるだろう。

●Earth Tapsへの根拠(2)足元の水から、世界の水へ
更に注目すべきは、自分たちの足元の水に対する考え方だ。もし自分の足元の水を汚染するならば、世界のアクセス可能な新鮮な水(fresh water)の5分の1を保有する五大湖に汚染を及ぼすことになる、というのだ。足元の水と世界の水とを当然のごとくつなげる発想は、日常の意識を大きく揺れ動かす。
私は一貫して、未来のためのパムスペクティブとして、「Waterユs-Eye」の重要性を説いてきた。その納得出来るデータが、ここにもあった。

「Earth Taps 地球はどこでも蛇口」は、足元の水と世界の水とを誰でもが繋げるようになるメディアとして、より多くの人に向けたアートからの警告と言えるかもしれない。

Neiweipi Cultural Park
Find navels of te water planet.
地球のへそを探せ!

同行のカメラマン・児玉龍郎による「Earth Taps」の撮影を、高雄市美術館の周りの公園でも実施。写真から、実際の場所を探し当ててほしい、と語りかけた。
高雄で、「Earth Taps」の撮影
日本各地での撮影分と合わせて、合計74枚の「Earth Taps」が、貨物用コンテナをeco-containerに変えた。
message:
Earth Tapsは、地球上のあらゆる場所が未来のための水源でなければならないということを示している.
コンテナの内部。奥には、砂が敷き詰められ、その砂が隆起して出来た「80リットルの水箱」が見て取れる。大地の中から盛り上がった「地球のへそ」を連想させる。
Earth Taps Containerの背面。直ぐにでもコンテナとして使用許可がおりるように、シリアル・ナンバーは残したままにする。

コンテナの移動---その1
道路脇の公開制作の場所から、公園の中の展示場所へ
展示場所:Neiweipi Cultural Park, Kaohsiung, Taiwan
展示期間:
2007年12月8日〜2008年1月13日

コンテナの移動---その2
高雄(台湾)→→ ジェノバ(イタリア)
アートが、インド洋を動く!
Bon Voyage !
高雄港で、高雄国際コンテナアートフェスティバル「Eco-container Art Festival」に出品された<コンテナ>が、貨物船に積み込まれていく。海上の他の船からでも、コンテナの作品が見えることになる。
Cosmopoli Sostenibile (Sustainable Cosmopolis)
展示場所:Galata, Genoa, Italy
展示期間:2008 5/29〜6/8

コンテナの移動---その3
ジェノバ(イタリア)→→ ロサンゼルス港
L.A. Country Festival

展示場所:port of L.A., U.S.A.
展示期間:2008 9/5〜9/25
アートが、文字通り、海を駆け巡る !

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