Water Ekiden Project Manosegawa River Art Project
水駅伝/万之瀬川アートプロジェクト
池田一による万之瀬川アートプロジェクト1999は、万之瀬川流域の1市3町に、「4つの水駅」を設置し、それらを連動させる水駅伝プロジェクト
展覧会:1999年10月16日〜11月14日  
鹿児島県 加世田市・川辺町・知覧町・金峰町

水駅伝についてのノート

川を、上流から下流、そして海へと流れる、単なる「水の通り道」としてしかとらえない傾向がある。治水という人間の利用目的にそって、水流・水路を保全・管理し、人間に好都合な「水の通り道」づくりが、川のストーリーの主題になっている。水の流れを制御するための河川改修を行い、川のもつ自然浄化力を奪っていったと思ったら、今度は親水型護岸といって、多自然型の「水の通り道」づくりを促進する。川は、そんな人間の営み以上に、複雑で、繊細ですらある。単に水の通り道としてではなく、複雑に絡み合った織物としてとらえたい。そこには、幾つかの織物の層が見え、幾つかの織り目が立ち上がってくる。

流域は、本流、支流、用水路等が複雑に絡み合った、織物である。特に、万之瀬川は、上流が 樹枝状態に、中流は乱網状に近く、下流はまた樹枝状態に戻る、と描写される。万之瀬川は、万の瀬が樹枝上に張りめぐらされた、まさに網目状の織物といえる。
一見同じに見える流れも、水の将来を考える時、「天の水(雨水)」「地の水(湧水)」「水の(浄水)」が混交し織りなす、織物ととらえ、対処したい。
そして、何より、「水の道」と「人の道」が織りなす、川は織物である。

「人と河川」「人間と自然環境」といった漠然とした二元論では、「人が親しむ川づくり」といった長年のお題目を越えられそうにない。川を織物としてとらえるならば、先ず立つべきは、「水の道」と「人の道」が交わる交差点であろう。そして、いま、「水の道」と「人の道」が交わる交差点を、『水駅 Water Station』と命名し、各地域に『水駅 Water Station』を設置する。

各地域の『水駅 Water Station』間のネットワークが、今回のもっとも重要な取り組みとなるだろう。『水駅 Water Station』間をつなぐシステムを、昔からある駅と駅をつなぐ駅伝制という視点から、『水駅伝 Water Senders Exchange or Water Stations Network』と呼ぶ。

駅伝制/古代中国や日本で行われた交通通信網。主要道路毎に一定間隔で宿場を設けて車馬を置き、公務の通信や官人の旅行の中継を行った。

Water Station- 'For the Human'
Water Station- 'For the Heaven'
人の水 天の水
「水場所」調査/「水駅」設置/「水駅伝(水主ネットワーク)」

「水場所」の調査/マップづくり
○各地域の、「水の道」と「人の道」が交わる地点(「水場所」と呼ぶ)を調査する。例えば、次 のような「水場所」が考えられる。
・過去の「人の歴史、人の道」の跡が残る地点。例えば、川辺町の、南薩鉄道の陸橋跡が 残る場所
・現在、水と人の交わりの深い場所。観光的にではなく、日常生活の中で
・自然の恵みの強い、例えば湧水のある場所
・他地域の人に知らせたい水の場所
○これらの場所には、展覧会期間中、「水場所」指定の旗を掲げる。

「水駅」の指定
○上記の「水場所」の中から、展覧会期間中、「水駅」として機能する、人目に触れやすい場所を特定する。
○「水駅」としての構造物が、展覧会会期中、設置される。

「水主」募集/撮影
○各市町村に、「水主」ムーブメントを広げる。
○「水主」撮影は、近辺の川の中において実施する。人が歩ける浅瀬を探し、そこに立って「顔」「手」「足」を撮影する。
○上記の「水主」たちによって、「水駅」は原則として管理・展開されるものとする。

「水駅」の設置
○「水の通過する道」と「人の通過する道」が交差する十字形のプラットフォームが、主要な構造としてとして考えられる。
○「水駅」には、その地域の「水場所」を指示するマップがあり、各「水場所」から集められてきた水、あるいは水の情報を保管、公開する機能がある。
○各地域の「水駅」から流入、あるいは流出する水、あるいは水の情報を受容し、あるいは放出する機能をもつ。
○「水駅」として、舟を所有するか、駅舎自体が舟形である。

「水駅伝」の計画
○各地域に設置された「水駅」を結ぶシステムである。
○どのように常時「水駅」間を結ぶシステムをつくるか、また特別なイベントとして「水駅伝」を開催するか---。今後、検討すべき課題である。

水の水 地の水
Water Station- 'For the Earth'
Water Station- 'For the Water'

活動レポート

1999年5月30日

アートプロジェクトを展開するための基本的な考え方

1999年6月7日

水駅伝プロジェクトの提案

水駅伝
プロジェクト


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